医薬部外品の製造業許可について

医薬部外品製造販売業の許可が製品の販売のための許可であるのに対し、

医薬部外品製造業の許可は製品を製造するための許可になります。

製造も販売も行いたいという場合は、許可2つとも取得する必要があります。

医薬部外品製造業の区分3つあります。

1号区分無菌化された医薬部外品(無菌医薬部外品)の製造工程の全部又は一部を行うもの(包装、表示、保管のみを行うものを除く)
2号区分無菌医薬部外品以外の医薬部外品の製造工程の全部又は一部を行うもの(包装、表示、保管のみを行うものを除く)
3号区分1号区分、2号区分の医薬部外品の製造工程のうち、包装、表示、保管のみを行うもの

医薬部外品製造業の責任者(責任技術者)

医薬部外品の製造業を行う営業所には、責任技術者と呼ばれる責任者を設置する必要があります。

責任技術者の資格要件は以下のいずれかの要件を満たす方です。

(1)薬剤師

(2)大学等で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者

(3)旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する専門の課
程を修了した後、医薬品又は医薬部外品の製造に関する業務に三年以上従事した者

(4)厚生労働大臣が前三号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者

※ただし、令第20条第2項の規定により厚生労働大臣が指定する医薬部外品(「製造管理又は品質管理の方法の基準」を適用する医薬部外品)を製造する製造所の場合、薬剤師でなければなりません。

必要となる構造設備

申請者法人については役員含む)の要件と責任技術者の設置要件の他に

構造設備についての要件が問われるようになります。

構造設備の内容は、製造業の区分(1号~3号)によって異なっており、

薬局等構造設備規則によって定められています。

例えば、2号の一般区分の医薬部外品の製造所の作業所については次のように定められています。

イ 照明及び換気が適切であり、かつ、清潔であること。
ロ 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。
ハ 作業を行うのに支障のない面積を有すること。
ニ 防じん、防虫及び防そのための設備を有すること。
ホ は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであること。
ヘ 廃水及び廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること。
ト 作業員の消毒のための設備を有すること。
チ 製造品目により有毒ガスを発生する場合には、その処理に要する設備を有すること。

また、作業所のうち、原料の秤量作業、医薬品の調製作業、充填作業又は閉塞作業を行う作業室については、次のような基準が定められています。

イ 作業室内に備える作業台は、作業を円滑かつ適切に行うのに支障のないものであること。
 作業員以外の者の通路とならないように造られていること。
ハ 出入口及び窓は、閉鎖することができるものであること。
ニ 天井は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであり、かつ、ごみの落ちるおそれのないように張られていること。
ホ は、表面がなめらかすき間のないコンクリート、タイル、モルタル、板張り又はこれらのものと同じ程度に汚れを取ることができるものであること。
ヘ 室内のパイプ、ダクト等の設備は、その表面にごみがたまらないような構造のものであること。

その他、原料、資材及び製品衛生的かつ安全貯蔵するために必要な設備と製品等及び資材の試験検査に必要な設備及び器具を備える必要があります。

申請に必要な書類

1)許可申請書

2)登記簿謄本(申請者が法人の場合)

3)申請者の疎明書または診断書(法人の場合は業務を行う役員)

4)役員の業務分掌表(申請者が法人の場合)

5)申請者以外の者がその製造所の管理者又は責任技術者であるときは、雇用契約書の写し又は使用関係証する書類

6)管理者又は責任技術者資格を証する書類

7)製造所の構造設備に関する書類

8)製造しようとする品目の一覧表及び製造工程に関する書類

9)他の区分の製造業の許可を受けている場合は当該製造業の許可証の写し

これらの書類に関しては、管轄保健所のある市区町村等によって必要な書類が違います。