自筆遺言、法務局で保管可能に

紛失・改ざん防止にメリット

 遺産相続など、自らの死後の財産の扱いを意思表示する「遺言書」を最寄りの法務局に保管できる制度の開始を前に、申請手続きの予約受け付けが1日、始まった。

 紛失や改ざんのリスクを防止するメリットがあり、10日以降、全国312の法務局に保管できるようになる。

 対象は、全てを自らの手書きで作成する「自筆証書遺言」。これまで自筆証書遺言は自宅などで保管しなければならず、紛失したり、遺言の内容が書き換えられたりする恐れがあった。保管手数料は1通につき3900円で、本人が法務局に出向いて手続きする必要がある。

 また、自宅などで保管する際には、死後に遺族らが家庭裁判所で遺言の内容を確認する「検認」の手続きが義務付けられているが、法務局で保管していれば不要になる。新制度では、検認の手間を省き、速やかに相続に移ることができる。